作業療法士と病院

軽いノリで、作業療法士を目指した

今や、専門学校で作業療法士の資格が取れる時代。

ひと昔前なら「作業療法士」(=OT)や「理学療法士」(=PT)という職業名を聞いてもピンと来ない人が殆どだった。でも最近は進路選択のシーズンになると、テレビでも「リハビリテーションの専門家になろう♪」みたいな楽しそうなCMをバンバンやるもんだから、作業療法士・理学療法士のぼんやりとしたイメージが、学生さんに限らずお茶の間にも浸透しているみたいだ。

養成校も、作業療法士・理学療法士を配属している医療機関も増えて、とくに高齢者の方や、ケガで通院・入院したことのある人なら、これらの治療に関わることも珍しくない。

私が作業療法士を目指していた90年代は、北海道内での養成校はたったの2校で、S医大かH大の医療技術短期大学部。

地元釧路市では一応トップクラスの高校に通っていた私だったけれど、頑張って勉強し、その高校に入ったのは、親孝行の一環みたいなもの。入学後はそんなに秀でた成績もとれず、どちらかというと体育・音楽・美術を楽しみに通学するも、美大・音大・体育大に入れるほどのスキルは持たない器用貧乏な女子高生だった。

また「親の望んだ高校に入ってやったのだから、大学以降は好きにさせてもらおうじゃん♪」という野心も密かに抱いており、実家から地元の大学に通う気なんかサラサラ無かった。

H大の医療技術短期大学部・作業療法学科を選んだ動機は極めて不純であり、

1. H大という響きがアタマ良さげである。
(実際は医療技術短期大学部は3年制であり、4年制学部とは偏差値もえらく違う!!H大内ではなんとなく付録的存在)

2. 親もH大というネームバリューには弱そうな人種なので、合格すれば堂々と親元を離れられる。

3. 作業療法士のことはよくわかんないけど、「音楽やスポーツを通して患者さんを治療するのよ」ってSちゃんが教えてくれた。
しかも今んとこH大とS医大しかないから、就職率はほぼ100%らしい。理学療法士は歩行訓練とかするらしいし、患者さん重そうだし、なんかむつかしそうだからやめとこう。

と、こんなもんだった。とくに3.。同級生のちょっと不思議ちゃんなSが、お弁当の時間にふとつぶやいた言葉が大きかった。「スポーツや芸術を通して…」って、なんかかっこ良さげでないの??しかも私の得意分野でないの??しかも就職率100%って。よし、私作業療法士にするわ、と軽~く決めちゃったのである。

今思えばとんでもなく、浅はかな進路選択。

しかしこれが、まんざら間違った選択でも無かったから人生って不思議である。作業療法士に興味を抱き、わざわざ下調べしてみんなに教えてくれたSちゃんは、その後作業療法士にはならなかったらしいし。

不思議ちゃんSと私

今、「作業療法士こそ私の天職」と意気込んで目指しているあなた。きっとあなたは作業療法士について十分な下調べをした上でそう確信しているのでしょう。そんなあなたは、本当に熱心な、優秀な作業療法士になっていかれるのだと思います。

学会にもこまめに顔を出し、いずれは大学に戻ったり、現場でどんどん出世していかれたり。実際、元級友であなたのようなタイプの人は、業界紙に載ったりして今でも活躍しています。そんなあなたを、私は素直に尊敬します。

一方、「何だかよくわかんないけどツブシがきくみたいだし、他に特にやりたいこと無かったから」というノリで目指しているあなた。

私と似たようなタイプのあなたは、もしかしたらどこかでドロップアウトするかもしれません。しかしそれはそれで、新しい自分を発見するための必要な寄り道ですから良いんじゃないかと思います。

それに、あなたのような一見テキトーなタイプがちょっとしたきっかけで大化けしたり、作業療法士として働いていく中で、思わぬ経験や感動を得ることだってあり得る。そんな可能性を秘めてることも忘れずに、どうか、試しに頑張ってみてください。

就職率抜群!!売り手市場だった90年代